さいとうれんたろう
おかしライター

1981年、ニューヨーク大学へ英語留学。その後、メイン芸術大学(絵画、彫刻、陶芸) を経て、ニューヨークパーソンズデザイン大学ファッションデザイン学科卒業。クチュー ル系デザイナーに師事後、デザイナーとして活動。2001年2月、日本に帰国。デザイナー 、コーディネーター、翻訳、通訳などしながら、気ままに執筆/創作活動中。

08.30.2011

忘れられた往年の大女優はまだ50歳!



昔の50歳は、今の50歳と感覚的には、もっと"年寄り"のような気がしたものでした。それは自分自身が年を取ったからだけではないようです。1950年に公開されたビリー・ワイルダー監督の「サンセット大通り」のグロリア.スワンソン演じる「ノーマ・デズモンド」というキャラクターは、ドラッグ.クィーンのお手本として、アメリカのゲイカルチャーでは永遠のディーバのような存在であります。


1920年代の大女優だったグロリア・スワンソンは、本作の映画製作時には、役柄と同じく忘れられたサイレント映画の大女優・・・そして大女優の若いツバメとなる売れない脚本家ジョー役には当時実際に売れていなかった若手俳優だったウィリアム・ホールデン、大女優に献身的に仕える執事(そして実は大女優の最初の夫であり、彼女をスカウトした映画監督!)のマックス役には、実際にグロリア.スワンソンとの確執によって映画監督生命を絶たれたエリッヒ・フォン・シュトロハイム・・・そしてサイレント映画時代から1950年代までハリウッドの監督して活躍していたセシル・B・デミルが本人を演じるという「現実」と「虚構」の入り交じったキャスティングで、異様なリアリティーを感じさせるのでした。


黄金時代のハリウッドの非情さと辛辣さを描いた皮肉に満ちた作品といわれる本作ですが・・・年上女性が若い男を自分の思い通りに財力で操ろうとしながらも結果的には捨てられるという、ある意味よくある話でもあります。映画の終盤、自分を捨てて去っていくと分かったノーマはジョーを銃で撃って殺してしまいます。「往年の大スターが殺人!」というスキャンダルに、警察だけでなくマスコミがカメラを持って大邸宅に集まっています。今でも大スターと思い込んで狂ってしまったノーマは、自分が主演女優として復帰する映画の撮影だと思い込んでいます。ずっとノーマの側にいて「虚構」を支えてきたマックスが、かつての映画監督であった時のようにカメラの後ろに回り「アクション!」と叫ぶと、役になりきったノーマはカメラに向かって大袈裟な身振り手振りの演技でカメラに近づいていきます。そして、徐々にモヤに包まれてノーマの姿は消えていき・・・映画は終わります。


驚かされるのは・・・忘れられた往年の大女優であるノーマ・デズモンドが「50歳」であったという設定(演じたグロリア・スワンソン自身は51歳)です。今の時代であれば"熟女"といわれて、モテはやされたりする年齢・・・そして何よりボク自身が、ノーマ・デズモンドと、それほど変わらない年齢であることに、愕然としてしまうのであります。


サンセット大通り.jpg