金崎 敬江
miel

- miel[ミエル] -
東京オレンジ、bird's-eye view、picoLoop%と様々な作品創りに関わり、また、客演、振付、その他パフォーマンスを行ってきた金崎敬江が企画し、振付、構成(時には演出)をする。2010年度発足。
"le miel"はフランス語のハチミツ。甘くて、とろっとしていて、でも天然ものだから赤ちゃんは食べられない。そんな甘い幸せと共に、ちょっと危険を孕んだような作品を。
また「見える」「視える」何かが出せるように。
連絡先(お問い合わせ先):
miel.miel.2010☆gmail.com(☆を@に変えて)



miel(ミエル)#003
『 す き  と お り 』

2014.7.30.wed.-8.5.tue.
@スタジオ空洞(link)


miel(ミエル)#002
『 ま ○ る 』

2012.05.09.-14.
@ザ☆キッチン NAKANO(link)


miel(ミエル)#001
『こ こ  ち   り』

2010.12.23.-27.
アトリエセンティオ(link)

12.28.2015

『 す き と お り 』写真 その8

次のシーンはオフィス。
若い女性を囲む、男性社員たち。

蛍光灯がつき、一人の女が話し出す。
「私はよく謝られます。謝罪の、ごめんなさいとか、すみませんでしたとか、恐縮ですとか、あれです。
謝罪なんて私は求めてないんです。ただ、代わり仕事やってあげようとか、アドバイスした方が効率があがるだろうからとか、そういう純粋なる「好意」から来るものだったりすることの方が多いのですが。」

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「その好意に対して返ってくる言葉は大抵謝罪の言葉なのです。」

「山村くん、それ私叩き台作っておきましたから。もういいです。やらなくても。木村くん、もう少し考えてトライした方がいいんじゃないかな、それじゃ時間を無駄にしてるだけな気がするけど。(皆に)いいです。私やっときますんで、皆さん先帰ってくれていいですから。」
口々に申し訳ないとか、すみませんとか言いながら帰ろうとする男性社員。

「ありがとうだろと、そこはありがとうだろ!と怒りに対しては謝罪でいい。けれど好意に対しては感謝ではないでしょうか。
この場合私は純粋なる好意なので、ありがとうが正しいはずなのです。何故なら私怒っていないんです。ええ。私は間違った事言ってないと思うのですがどうでしょうか。あ、多少は怒っていますよ。どうして男たちは私を認めないのかと言うことに。あ、仕事のパートナーとしては認められていると思いますよ。そういうことではなく。」
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そこに男性社員に囲まれた女性社員のまゆがいる。
まゆ「ごめんなさい。やってもらっちゃって。」
男「いいよ。全然。」
まゆ「山村さんだって、仕事あるのに。」
男「終わった。はいこれでよし。」
まゆ「助かりました。あそうだ飴あげますね。山村さんがすっごく元気になるおまじないかけときましたから。
男「あ、ありがとう。」

女「こんなに簡単にありがとうを勝ち取る女がいるというのに。自分の仕事やらせておいた揚句、飴をあげただけなのに。それなのに『ありがとう』を簡単に言わせてしまう女と、簡単に言ってしまう男。」

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「小野寺まゆ26歳、通称まゆゆは、山村幸助32歳(既婚者)はこの夜抱かれました。正確に言うと、この夜も抱かれていました。さらに加えるならば、山村幸助と何度か関係を持った上で、木村聡ともこの翌週に一度だけ関係を持ちます。」
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「何故私が知っているのか。私が社内の事情通という訳ではありません。小野寺まゆ本人が私に相談して来たからです。」

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まゆ「山村さんとそういう関係になってしまったのはもう過去のことだし、山村さん結婚してるし、でも木村さんは独身だし、本気でまゆのこと幸せにしたいって言ってくれてるし、でもまゆは決められないからあ(泣)」
女「私には分かりません。」
まゆ「まゆは悪くないのに。何も悪くないのに、山村さんが結婚してるのに、まゆの事も好きとか言うからぁ、木村さんがもっと早く言って来ないからぁ(泣)」
女「そもそも何を相談されているかも分かりません。」
まゆ「でも、でも、この前、元彼からも連絡あって会おうって言うから会ったらエッチしようって言うし、エッチしようって言われたらやっぱしちゃうじゃないですか。男ってすぐ簡単にエッチしたいって言ってくるのずるくないですか(泣)」
女「男に簡単にエッチをしようと言われるような人生を歩んで来てない私にはどうアドバイスしていいかも分かりません。そんな私にどうしてまゆゆは相談を?そもそもこれは相談なのか?ただの自慢話じゃないのだろうか。そう思えてしまうのは単純に羨ましいと思ってしまっている私がいるからに他ならないのですが、、、」

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めそめそするまゆゆに一喝する女。

「まゆゆはこの翌年合コンで知り合った歯医者と結婚をし寿退社をするのですが、それはまだ先の話。今宵の話はもう少し続きます。」
まゆゆは、結婚しているのに手を出してきた山村さんに、仕事で嫌がらせをしてほしいと頼みます。
好意からやっていることが、まゆゆにとっては嫌がらせにみえている。
「いえ、本当は分かっているんです。私が男にモテない理由、まゆゆが男にモテる理由、私が幸せになれない理由、まゆゆが幸せになれる理由。男は自分より仕事の出来る女を嫌い、遠ざけ、怖がります。」

そして、まゆゆの代わりに山村を呼びつけ話する女。
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山村「何ですか。小林さん話って。」
女「ん?まあ、とりあえず飲もうよ、飲んでから、まあ、飲んでから。」
山村「やっぱり僕何かしたって事ですよね。すみません。何ですか。ホント、先謝ります。」

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酔っぱらった女が、山村に歌おうともちかける。

山村「ええ、えと、(体が)近いですよ。
女「ああ〜、聞いたよ。山村君、まゆゆとエッチしたでしょ。わたし知ってんだから。」
山村「。。。」
女「ねえ、私ともしよか。」
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と、迫る女、拒絶する山村。
まるで格闘技のよう。
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突き飛ばされる女。
山村は突然頭を深く下げ、
山村「ごめんなさい!本当にもう二度としませんから、許してください!!!」
女「(少々酔っ払ってるふりも恥ずかしく)いや、うん、そうじゃなくて、」
山村「本当にごめんなさい!これ以上ないくらいに反省しました!!失礼します!!!!」
去って行く山村。
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山村を追いかけて、居なくなる皆。
「そこはごめんなさいじゃなくて、ありがとうございますだろ、と思うのですが、まあ、そういう事ではないと言う事なのでしょう。
私が思う『隙』とはこういう事なのですが、そうではないようです。
モテたい。」

「モテたいと言うか抱かれたい。抱かれたいなんて、はしたないですね。ただ攻略されたいんです。」
男性社員たちが自分のことを影でクッパと呼んでいるところに出くわし、そんなに手強くないと主張します。
思いのほか、簡単に攻略できるはずなのに、誰も挑んでこないと。
いい歳なので泣きません。明日も仕事なので、いつものように出社しいつものように自分の業務を果たし、余裕があれば人の仕事も手伝います、それが私の日常だという女は泣きそうである。

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「泣きません!泣きません!
渡辺美里でマイレボリューション歌います!」
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と、声を張り上げ、力の限り
歌うというより絶叫する女。

ちなみにト書きには
女はマイレボリューションを純粋に熱く歌い上げる。
と書いてありました。

2012年に上演した『ま ○ る』でも登米くんにテキストをお願いしたのですが
その登場人物である小林女史をまた主役に書いてくれました。
責任もって演じさせて頂きました(笑)
とても愛すべきキャラクターです。小林女史。自分とかぶる部分もそうでない部分も、さらけ出して。
是非また小林さんに会いたいものです。


テキスト:『隙のない女』登米裕一(キリンバズウカ)
写真:三浦麻旅子



12.10.2015

ワークショップのお知らせ(12月)

すっかり空気が冬になりましたね。
つい力んでしまう身体をほぐして、ゆっくりと過ごしたいものです。

3月よりこちらの身体ワークショップ
2週目の火曜日と、3週目の金曜日に開催しております。
ご予定組む目安にして頂けたらと思います。

身体を整え
触れたり、具体的に動いたりしながら
それぞれの持つ身体について
日々の意識を変えていけたら
と思います。

ダンスや芝居をやっている人には
意識改革や更なる変化を
また、普段身体を動かしてないから
ちょっと運動したいという人にも
発見や楽しみが見つかるはずです。
難しいことはありませんので、どうぞお気軽にお越しください。

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自分の身体を知ること
身体の可能性を探ること
呼吸と身体
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を軸にしたワークショップです。

<日時>
12月15日(火)18:30-21:30
12月25日(金)13:00-16:30/18:30-21:30(2コマ)

<場所>
世田谷区内の施設

<参加費>
1回 1500円

<申し込み方法>
・お名前
・ご連絡先
・演劇、ダンスの経験の有無
・mielの作品を観たことがあるかどうか
をご記入の上

miel.miel.2010☆gmail.com (←☆を@に変えて)

にメールをお送りください。